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カテゴリ:バスのマーキング( 1 )


2005年 08月 03日

神奈川中央交通・路線バス「カナちゃん号」のマーキングデザイン(1987年)

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神奈川中央交通が1987年4月より神奈川県と東京都下の13路線・計26台で運行をはじめたこのイラストバスのマーキングデザインの仕事の依頼は、マーキングの素材であるフィルムメーカーの知り合いの営業マンからだった。
路線バスは通常車内に広告掲出のスペースを設け、そこを企業に時間貸しすることで広告収入を得ている。神奈中バス(神奈川中央交通バス)も例外ではないのだが(路線バスという性格から企業のイメージアップという観点からも)、地域との密着を計るという趣旨で、その公告スペースを地元の小学生たちに解放し、彼らの描いた絵画を掲出しようというのであった。
そこで、この仮称「ちびっ子ギャラリーバス」を他の路線バスと差別化するために、車体に独自のデザインを施そうということで、僕にお鉢が回ってきたわけである。
すでに動物と風船というテーマが前提としてあって、僕の仕事としては動物たちの選定と、イラストのタッチや、構図(シチュエーション)を車体に合わせて決め、イラストレーターにディレクションすることであり、できあがったイラストをバスの車体の形状に合わせて配置し、車体に貼るフィルムの色に置き換えることだった。出来上がったフィルムを車体に貼る作業の立ち会いで、富山の工場まで出掛けたりもした。
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当時、イラスト仕立ての公共の乗り物としては走りだったこともあり、またバスの愛称を募集するなど結構話題にも上り、利用者にはたいそう好評だったようである。
その後、神奈中バスの役員の方からお話を聞く機会があったのだが、「カナちゃん号」に乗るために運行状況を訊いてくる人がいたり、「カナちゃん号」が来るまでバス停で待ったり、偶然乗り合わせて感激されたりといったことを嬉しそうに聴かせてくれた。特に印象的だったのは、「カナちゃん号」を契機に神奈中バスの運転手のモラルが相対的にアップしたという話。ボディカラーを白にしたことで、汚れが目立つために、清掃(運転手が自分の担当バスを洗車する)をこまめにしたり、イラスト(フィルム)を傷つけないように運転も慎重になり、何よりも利用者との親近感が強くなることで対応も優しくなりマナーが向上したというのであった。
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by LunaSmileDesign | 2005-08-03 00:00 | バスのマーキング