カテゴリ:ラベルデザイン( 5 )


2005年 10月 02日

小富士園のへちま水・ラベルデザイン(1994年)

東京コロニーのT君から、福岡県にある授産施設「小富士園」のへちま水のラベルをやらないかという話がきた。彼は当時全国の授産施設で作られる製品を展示販売している「パレット」というショップのプロデュースのようなことをやっていた。その関係で、小品のパッケージデザインの相談がいろいろ「アートビリティ・アンド・アソシエイツ」に持ち込まれていた訳である。
いろいろ考えていく中で、へちまはイラストにしようと決めたのはいいが、障害者アートバンクの登録作品にへちまがあったかどうか?・・・、ならば誰かに描いて貰うことにしようと思い、そこでT君の知り合いで、知的障害のあるOさんにへちまを収穫するシーンを描いて貰ってできあがったのが下のイラストである。

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できあがった絵を見て思わず笑みがこぼれた。
とても愛嬌のあるへちま達の中から、ボクが選んでデザインしたのがこれである。
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by LunaSmileDesign | 2005-10-02 21:33 | ラベルデザイン
2005年 09月 25日

いすみ学園のジャム・ラベルデザイン(1994年)

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「アートビリティ・アンド・アソシエイツ」(以後、A.A.A)の設立の準備をしている間に東京コロニーのT君(A.A.Aのメンバーの一人)から、千葉県にある自閉症者の援護施設、いすみ学園で製造販売しているジャムのラベルのデザインをやらないかという話が来た。だったら、A.A.Aの初仕事ということで障害者アートバンク(以後、アートバンク)の登録作家でやろうということになった。
時間的にはゆとりがあるというので、オリジナルで作ろうと言うことで意見が一致した。僕は以前からアートバンクの登録作家、田辺綾子さんの子どもの日常の一こまを切り取った絵に惹かれていて、彼女とできれば仕事をしたいと思っていたので、早速連絡を取って彼女のお宅へ出向いて直接口説き落とすことにした。
自分に厳しい田辺綾子さんは、そう簡単に「うん!」とは言わなかったが、A.A.Aの趣旨を説明し是非協力して欲しいと、何とか説得することができた。

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これがそれまでいすみ学園で使用していたジャムのラベル。素朴でわかりやすいが、やはり、ありきたりでインパクトに欠けるデザインだった。

田辺さんに対する僕からのリクエストは、ジャムの素材そのものをイラスト化するのではなく、例えばリンゴジャムであれば、リンゴをモチーフにした子どもの日常の一つの情景にして欲しいというもので、今から思い返せば随分無理難題を言ったものだと反省している。ま、そんな難題に生真面目な田辺さんは随分悩んだようで、しばらくしてできそうもないと断りを入れてきた。困った僕としては、何とか決心を翻らせようと、また田辺家へ出向き、ああだこうだと、醜いおとなの本性をあらわに、あめとむちで何とか作業を続けるよう説得したのだった。
このように、こちらの意図を伝えその制約の中で絵を描いて貰うという、我々デザインの世界では当たり前のことに、アートバンクの登録作家の中でも可能な人には是非挑戦して欲しいという願いを込めた田辺さんへの仕事の依頼は、こうして紆余曲折の末、実現したのだった。

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余談ではあるが、ラベルの題字は田辺さんの自筆によるもの。当初活字にしようと考えていたのだが、田辺さんから貰う葉書とか手紙の、彼女の字が好きで、いやがる彼女を無理矢理説得して描いて貰ったのだった。でもその甲斐はあったと自負しているのだが、どうだろう?
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いすみ学園で販売しているジャムの3個入りセット。箱のシールももちろん田辺さんの絵である。
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by LunaSmileDesign | 2005-09-25 17:33 | ラベルデザイン
2005年 08月 12日

ワインのラベル・デザイン─其の参(2001年)

IMAGICAのワインラベル・デザインから1年もしないうちに、今度は栃木県足利市にあるこころみ学園のワイン醸造所「ココ・ファーム・ワイナリー」のワイン用に新しくラベルのデザインを、という話がきた。
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ラベルの全面に、赤・白それぞれのイメージで選んだ徳岡麻実子さんの絵を大きく大胆にレイアウトした。おまけに「Art Bank Wine」なんてネームまで入れたりして・・・。

こうして、15年ほど前に出逢った麻実子さんの絵は、僕の創造力を刺激し、ワインのラベルというカタチに結実し、試作品が最終的に市販されるまでにたどり着いたのだった。
ということで、ワインラベルのデザインは今回で終了。それにしても、絵と出逢って最初にイメージしたのがワインのラベルだったのだが、実は僕、立派な下戸なのである。
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by LunaSmileDesign | 2005-08-12 15:07 | ラベルデザイン
2005年 08月 11日

ワインのラベル・デザイン─其の弐(2000年)

徳岡麻実子さんの絵を使って試作(1991年)したワインのラベルは、結構、周りではは好評だった。中には、ワインメーカーに売り込んだら?と言う人もいて、僕もその気になって、機会を見つけては思いついた企業に、重いボトルを持ち込んでは説明して回ったりもしたけど、残念ながらそうした感性的に成熟した企業は国内には見あたらず、実現はほとんど不可能と思われた。

それから10年近く経って、やはりかつて僕が勤めていたCIコンサルタント会社時代のクライアントで、1998年から1年半ほどデザイン顧問をしていたIMAGICA(昔は東洋現像所と呼ばれていた)から、品川に新しくビルをオープンするのでイメージづくりに手を貸して欲しいという話があった。
IMAGICAは今から20年ほど前(1985年)にCIを導入し、その時、担当のアートディレクターとして僕はシンボルマークやアプリケーション・デザインの開発を手掛けたわけで、その後独立してからも関わりは続いていた。
今回はシンボルマークの展開だけでなく何かビジュアルイメージのキーになるような要素を提案してもらえないかと言うのだった。そして、そのビジュアルを展開するアイテムの中にビルのオープニングパーティで来客にプレゼントするワインのラベルデザインも含まれていたのだった。
実はこの話がくる以前にIMAGICAのホームページのトップを徳岡麻実子さんの絵を使ってデザインし、それが実際使われていて、僕のトータルイメージを麻実子さんの絵を使ってという提案はすんなり受け入れられたのである。もちろん、ワインのラベルにも麻実子さんの絵を使ったことは言うまでもない。
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カリフォルニア・ワインでラベルの印刷は現地任せ。僕が作ったデジタル・データをメディアにコピーして送った。もちろん色校もなし。不安だったが、できはまずまずだった。
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麻実子さんの絵とグレー・スペースのコンポジションはすでにIMAGICAのホーム・ページで展開していた。
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この麻実子さんの絵を使ったIMAGICAのトータルなイメージ展開については後日改めて紹介したいと思う。
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by LunaSmileDesign | 2005-08-11 18:50 | ラベルデザイン
2005年 08月 06日

ワインのラベル・デザイン─其の壱(1991年)

ある女性の描いた絵からイメージしたのは、ワインのラベルだった。
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これは社会福祉法人東京コロニーが運営する障害者アートバンク(現アートビリティ:「才能に障害はない!」をモットーに、心身に障害のあるアーチストの絵画をポジフィルムにしてライブラリー化し、それを企業や自治体の印刷媒体に貸出、使用料を作家に還元することで、社会参加や経済的自立を支援している)の依頼で、「障害者アートバンクの可能性」という本のために障害者アートバンクの登録作家の中から僕が選んだ作品を使って、製品のデザイン提案をするということで試作したものである。

先ずは、障害者アートバンクと関わるようになったそのいきさつを簡単に説明しておかねばなるまい。
僕が、それまで勤めていたCIデザインのコンサルト会社から独立した時に、僕の担当していたクライアントの一つである日立クレジット(現日立キャピタル)のデザイン顧問を引き受けることになった。日立クレジットではCIを実施していく中で、自社のイメージアップやモラールアップの観点から、企業の社会貢献活動の一環として、障害を持ったアーチストの支援ができないかと考えていた。そして僕に国内の障害者アーチストの団体を調べコンタクトをとって、何らかの提案をして欲しいというのだった。
こうして、僕は障害者アートバンクの存在を知り、その若き情熱の塊のようなスタッフ達と幸運な出会いをし、今日まで関わりを持ち続けているわけである。
さて、障害者アートバンクを知るようになって間もない頃、当時築地にあった事務所を尋ねた時、この人の絵を見て感想を聞かせて欲しいといって見せられたのが、徳岡麻実子さんが描いたパステル画だったのである。
具体的なカタチをもたないそれらの絵には「絵を描く」という原初の感動と色彩に満ち溢れ、砂漠に降った雨のように僕の心に浸透していった。この時の感動が僕と障害者アートバンクとの関係を決定づけたといっても過言ではない。
彼女には出産時傷害により、重い知的障害があった。その彼女の絵を初めて目にした時、僕は彼女の心の無限なる宇宙を感じ、“情熱”とか“豊饒”という言葉が頭に浮かんだ。僕はこれらの絵を使って何かデザインしたいという強い思いに駆られ、僕の中でワインのラベルと結びついたのであった。
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by LunaSmileDesign | 2005-08-06 21:45 | ラベルデザイン